「数学とか理系科目、正直できない」——高校時代、そう思っていた方は多いと思います。私自身、文系選択の公立高校生でした。物理も数学Ⅲも、プログラミングも、何ひとつやってきませんでした。
それでも、私は浪人期に CS 専攻にしようと決めました。この記事では、なぜ「数学ができなくても CS を勧めるのか」を、個人的な理由と、データの両面から書きます。
浪人期、進路を再考する時間の中で、こう自問しました。
「もし仮に経済学部に入れたとして、その学びを職業として活かせるだろうか?」
答えは、正直「わからない」でした。他の文系学部も同じ。学問として面白そうでも、それが将来の仕事に直結するイメージが持てなかった。
一方で、当時「IT人材が足りない」という話を耳にしていました。数字で見ても、需要は明確に伸び続けている。
そして、私は数学が比較的得意な方でした。物理は未経験、プログラミングもゼロ。でも数学の考え方には少しの自信があった。
この3つが揃って、CS専攻を選びました。
経済産業省(METI)の試算では、日本のIT人材不足について以下のような数字が出ています。
| 年 | シナリオ | 不足人数 |
|---|---|---|
| 2018年 | 現状 | 約 22万人 |
| 2030年 | 低位(需要伸び 1%) | 約 16万人 |
| 2030年 | 中位(需要伸び 2〜5%) | 約 45万人 |
| 2030年 | 高位(需要伸び 3〜9%) | 約 79万人 |
※ 出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年発表、2015年国勢調査ベース)
2015年のデータをベースにしているため、今の実数は少し変わっているかもしれません。しかし、方向性はハッキリしています——日本のIT人材は足りない、そしてこれからも足りない。
この数字が、CS専攻を選ぶ理由の1つの土台になります。
上のデータが示す通り、日本のIT人材需要は伸び続けていて、供給が追いつかない。これは私の見立てではなく、国の試算に基づく確定路線に近い数字です。
「食いっぱぐれない分野」を選びたい人にとって、CS はほぼ答えです。就職氷河期のような話は、この分野には来ない。むしろいい人材の取り合いが続きます。
CSは「エンジニアだけの職種」ではありません。金融、エンタメ、医療、製造、農業、教育——ほぼ全ての業界で、CS人材が必要とされています。
文系学部の「学部の専門と職業がリンクしない」悩みが、CSでは真逆になります。学部で学んだことがそのまま、あらゆる業界で武器になる。キャリアの選択肢が狭まらないのは、意外と大きな価値です。
CSはコード自体が英語ベース。技術ドキュメントも、フレームワーク名も、業界の言語も基本的に英語。CSを英語で学ぶ、というのは他の学部より圧倒的に自然です。
英語 × CS の組み合わせを持てば、日本市場だけでなく、EU・北米・アジアと就職・転職の選択肢が広がる。「日本の就活」という一本道を選ばずに済みます。これは他の文系学部では手に入れづらい特権です。
「AIに仕事を奪われる」議論はよく聞きますが、CSを学ぶと逆の立場に立てます。AIツールを使いこなして、生産性を数倍に上げる主体になれる。
置き換えられる側ではなく、AIを組み合わせて何を作るかを設計する側。これは恐怖ベースの「逃げ」ではなく、機会ベースの「攻め」の選択です。
文系だから、じゃない。
数学が苦手だから、じゃない。
「これから伸びる分野で、自分のスキルを作りたい」——
それだけで、十分な理由です。